表書院上段之間「松竹禽鳥図」
襖絵/4面/紙本金地着色/狩野貞信筆/慶長19年(1614)/本紙各195.7×138.0㎝(全体各203.1×144.3㎝)
公的な対面の場である表書院のなかでも、上段之間は藩主が座す格式高い部屋です。床を一段高く上げ、書院造の座敷飾りを備え、金箔地に松や春の花、そこに集う鳥を描いた障壁画が飾られていました。障壁画は近景に景物を並べた平面的な画面構成に、色とりどりの花鳥が映え、空間を華やかに彩ります。
本作は大きな松を中心に、流水と土坡が左右へ広がります。松は常緑樹であることから長寿や繁栄を象徴し、治世が永続することを願って障壁画に多く描かれました。本作の松は幹の下部から枝先の葉叢まで画面内に収められていますが、画面外にまで幹や枝が伸びる力強い大木を描いた桃山時代の障壁画とは異なります。土坡や岩の曲線的な形態や紅白の野薔薇の花と調和し、優美な印象を与えます。