上洛殿二之間「梨図」
天井板絵/1面/紙本淡彩 金砂子散/寛永11年(1634)/本紙45.0×46.5㎝(全体63.1×67.7㎝)
上洛殿は寛永11年(1634)、上洛途中の江戸幕府3代将軍・徳川家光(1604~51)を迎えるために増築された建物のひとつです。二之間の天井板絵の画題は、花鳥や果実が多くを占めています。
本作には梨の果実が描かれます。近世以前の絵画では、梨の果実より花を描くものの方が多く見られますが、本作のような身近な果実を描いたものは「蔬果図」といい、野菜や果実の吉祥性や高潔さが表現されてきました。本作の梨は白の点描によって皮表面の斑点が表され、葉の表裏で色の濃淡を塗り分けられるなど、実物に即した描写がみられます。画面外枠の装飾帯は金箔摺りの花菱文です。